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「……。」
僕が答えられずにいると、また先生にでこぴんされた。
「俺は明日の日程と必要なものとか大切なこと言ってたんだぞ。今度からは人の話しはちゃんときくようにっ!」
「う…すみません」
僕が素直に謝ると先生はまたぽんぽん、と僕の頭を撫でる。
「わかればOK。」
そう言ってまた僕に笑いかけてくれた。
……あれ?そういえばどうして皆……
「せんせ「もう帰ったぞ」………。」
まだ僕言い終わってないのに…
「って、帰った?」
「お前がぼーっと自分の世界に入り込んでる間に皆さっさと帰ったぞ。」
「…。」
全然気づかなかった…
僕、そんなにぼーっとしてたのかな。
「ほら、お前も早く帰れよ。せっかく午前中に終わったんだからめいいっぱい遊べ」
考えにふけっている僕に先生は言うと鍵閉めるぞ、と言って教室のドアに歩いていく。
「えっ、僕まだ帰りの支度してな……」
僕は慌てて帰り支度をすると先生のまっている教室のドアへと走る。
先生は僕が出たと同時にドアを閉め鍵をかけた。
「おし、鍵閉め完了」
先生はそう言うと僕に気をつけて帰れよ、と言うと踵を返して職員室の方へと足を向ける。
僕も帰ろうとして背を向けた時だった。
「あ、なぁなぁ」
「…?」
不意に先生にまた声をかけられて僕は不思議に思いながら先生の方をふりかえる。
「お前、名前は?」
先生の口からポツリとそんな言葉がもれる。
「え…?」
「だから、お前の名前!」
5m先に先生がいる。別にそんな大きな声出さなくてもいいのに。
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