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僕が心の中でホッとしていると、先生がはぁ、と息をはいた。 「ったく、ひやひやさせんなよ…。ケガはないか?」 先生はそう言って心配そうに僕の顔を除き込んでくる。 えぇと、そもそも先生があんなに顔を近づけなきゃ僕もビックリしなかったんだけど……。 なんて実際には言えないから心の中でポツリと嘆いてみた。 うん、僕虚しい。 とりあえず捻ったようなところもないみたいだから素直に大丈夫です、と答える。 そしたら先生はそうか、といいながら笑って、大きくて指の長い手で僕の頭をわしゃわしゃと撫でた。 なんか、きもちい。 わしゃわしゃと撫でてるわりには優しい手つきでなんだか両親に撫でてもらってるみたいな錯覚におちいる。 「あ、あの、ありがとうございました…」 ちらりと先生を見上げながら言うと先生はまた僕ににっと、笑いかけてくれた。 先生優しそうだし、やっていけそう。 最初は近寄りがたいイメージがあったからこれからやっていけるかな、なんて思ってたけど実際に面と向かってみればすごくいい先生みたいで僕はちょっとホッとした。 「もうイスごとこけないようにな。」 「あ、はいっ!」 不意に声をかけられて僕は慌てて返事を返した。
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