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と、ひとつ気になることができる。 「…あれ?、皆…は…?」 まわりを見てみるともう教室には他の生徒はいなくてしん、としている。 あ、あれっ!?みんなは!? そう思って僕が頭の中で軽くパニックになりながらキョロキョロとまわりを見回していると、不意にクスクスと笑い声が前からした。 「……?」 僕が怪訝に思って前にいる先生をまじまじと見ると先生は吹いて笑い出す。 「ぷ、あははは!おま、どんだけぼーっとしてんだよ。」 「え、え?」 僕はどうして先生が笑いだしたのかわからずただ先生を見つめることしかできない。 な、なんで先生笑ってるの…!? 僕が相変わらず頭の上にハテナマークを出していると、不意に僕の方に先生の手が伸びてくる。 「いたっ」 先生の手は僕のおでこに向かい、いきなりピンッとでこぴんを僕のおでこにかました。 地味に痛いよ… 「な、なんですか!?」 でこぴんされたおでこを押さえながら少し睨むように先生を見上げると先生は今度は僕の頬をみょーん、と引っ張りはじめる。 「たく、新学期初日からいきなり人の話をきいてないなんて困りもんだな?」 皮肉っぽく先生は言うと僕の頬を更に伸ばす。 「ひゃ、いひゃい!いひゃいよせんせっ!!」 最早今、自分が話している言葉もわからないくらいひっぱられて僕は自分の頬が千切れるんじゃないかと一瞬不安になった。 「んじゃ、お前はさっき俺がホームルームで言ってた内容がわかるか?」 「え、……えぇと、」 わかるはずがなかった。 だって、先生が話してる間僕、自分の世界に入り込んじゃってたし…。
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