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飯は食わずに俺は隼人の隣に腰掛けた
「そういや、直樹から土産貰ったか?」
「ああ。あのご当地モンだろ?」
心配そうな顔をした隼人が自ら話題をかえてくれた。
こういう時こいつの優しさが嬉しい。
「あれどうするよ」
「…ダンボールの中に埋まってる」
俺の部屋の机のしたにどうでもいいモンを入れとくダンボールがある。その中に直樹からのお土産は全てはいっている。
「マジで?俺なんて全部家に送って弟たちのオモチャだぜ」
「…直樹も可哀想だな」
「まぁ、お前のダンボールよりはマシだろ?」
「…まあな。」
隼人が飯を食い終わるのと同時に俺たちは自室へと戻った。
「ちょっといい?」
コンコンと律儀に扉を叩く音がして顔を出すとそこには第二寮の数人しかいない女の1人である天月真由実がいた。
「何の用?」
「あんたに聞くのは気に障るんだけど第二寮で勉強出来る人って七哉だけだし。」
「面倒いからイヤ。」
意地悪くニヤリと笑ってやれば天月は口をパクパクさせて顔を赤らめた
「な、な、七哉。ちょっとだけでいいから…その、えっと、…」
「…お前、大丈夫か?」
「…うん。」
ーーーミシェル?ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけどいいか?
ーーー何言ってるのよカイン。私は何もできないわ。だから、イヤよ
ーーー…ミシェル。その、あんまそんな風に笑うな…いつもより凄く妖艶に見える。俺以外の前ではそんな顔するなよ?
ーーーカイン?一体何がどういう意味?
ああ、そうだ。カインは俺(ミシェル)が意地悪い笑みを浮かべた時にはいつも会話をしていたっけ
きっと天月はそんなことを考えたりはしてないんだろうけど。カインではないのだから。
「七哉?」
「悪りぃ。ちょっと昔の事思い出してただけだ」
「凄く淋しそうな顔してたよ?」
「まあ、な。いつまで経ってもずっと愛してる奴に会えないからかもな」
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