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松原の言葉で我に返る。
周りの登校してるヤツらが半分怯えた目でこっちを見ている。
「……悪い」
「いや、いい。お前がそんだけ苦しんでるってことだから。お前は偽善者なんかじゃない。ただみんなお前に嫉妬してんだ。……お前は顔も良いからな」
「…………」
「気に病むな。お前が負けちまったらそれこそココはクズしかいなくなっちまうんだからよ」
松原はいつも俺を気遣ってくれる。
松原の言葉のおかげで楽になった気がした。
松原はこの学校で数少ない友達の中でも信頼できる、親友ってやつだ。
「悪かった松原。恥ずかしいことさせたな。早く行こうぜ」
「おう!」
下級生や上級生に見られていた気まずさもあったが、照れくさい気持ちを紛らわすために俺は早歩きで教室へ向かった。
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