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序章
かつて――
この世には、人間と獣人が存在した。
人間族と獣人族は意見の食違いや 価値観の違い等が理由で度々戦争を繰り返した。
戦争で大半の兵を失った獣人族の王は全ての決定権を人間族の王に委ねる事を条件に数百年に渡る戦争は終わった。
それから 月日が流れ 人間族はこの世界を手に入れたおかげで 獣人族の住家を谷や山と決め 接触がないようにと追放した。
人間族は獣人族の元あった領土を占領し領土を広げていった。
それから数年後のある晴天の空を覆う巨大な黒石は、突如姿を現わした。
それは 大気圏で散りじりに破裂し流れ星のように世界中に降注いだ。
世界中に降注いだ黒石とは闇の根源となる魔力を持った石でこの世界には適応するに充分だった。
人々は最初は気にはしなかったが次第にその闇はこの世界中を侵食する為の根を張りだした。
黒石から滲出る魔力により 木々は枯れ 土や大地そして酷く侵食した場所では黒雲が発生し始めた。
動物や植物の中にも順応した物は魔物と化し徐々にその数を増やしていった。
人間族の王達はこの悪循環を打破する為幾多の兵を収集しこの状況を変えようと試みた。
だが、世界に広がる侵食は収まらなかった。
これは獣人の剣闘士(ヴァーレン)が生涯を掛けて闇に立ち向かう物語である。
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