543人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
宇留田 爽side
シャワーの口から次々と溢れだす湯を浴びながらふと考える。
――この気持ちは、何だろうか。
神崎が他の奴と話す度、心の底からイライラする。
気持ちを押さえ付けてもイライラは募るばかりで減ってはくれなくて。
神崎が誰かと話していたことを聞くのでさえイライラする。
――この気持ちは、何だろうか。
「……さて。」
これ以上考えると気持ちが爆発してしまいそうだから、一旦考えるのは中断しようか。
今は近くに神崎がいるだけで充分だから。
――――…でも、神崎は誰にも渡さない。
俺は自然と上がった口角を無理矢理下げて、風呂場から出た。
神崎の笑顔を見るために。
宇留田 爽side終了
最初のコメントを投稿しよう!