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――俺はいつも以上に完璧だ。
…いや、いつもと違って完璧。
手元には双眼鏡とケータイ。
王道と副会長の絡みを見ようと万全の装備だ(キリッ
……の、はずなんだが。
「おい、神崎。何処に行こうとしているんだ。大体予想はつくが許さないぞ?
俺は仮にもお前のクラスの担任だからな。俺のクラスからサボる奴が出ると理事長に叱られんだよ。
絡み見たいのはわかるがお前のことだからどうせ監視カメラでも取り付けてんだろう。じゃあ授業行くぞー」
正にマシンガントーク…。
まあ、副会長×王道は諦めるか。
今は王道よりホスト教師総受けにハマってるんだ、いっちゃん先生観察してたら萌えられるかもしれないし。
つーかそれより。
「いっちゃん先生なんで監視カメラを門の近くの木に二つ程取り付けたことしってんの?」
「そこまで言ってねぇよ!?
…あ゙ー、二つも取り付けたのか…。
脅されんのは俺なんだから大人しくしてくれっての…」
ぐったりと肩を落としたいっちゃん先生が今聞き逃せないワードが!?
「い、いいいっちゃん先生、〈脅される〉当たりを重点的に教えてくだされ!?」
「くっ、腐男子にこのワードは禁句だったな…。」
「詳しく!!」
「理事長に、…襲うぞって「ktkr!!ちょ、理事長ルート美味すぐる!!理事長GJ!」…って、おい」
後ろで何か言ってるいっちゃん先生の声なんて聞こえないぜ!
何故ならば今俺は神の領域に達しているからだ。
「ふふぅ、いっちゃん先生は一級フラグ建築者ですねぇ、にやにや。」
「効果音を自分で入れるな、あと敬語かタメ、どっちかにしろ…」
よし、一通り悶えたから教室行くか。
「じゃあいっちゃん先生、理事長とお幸せに~」
ここぞとばかりに俺の中で最上級の笑顔を浮かべ、教室へ足を運んだ。
俺がいなくなった廊下で授業中だというのにチワワが頬を赤らめていた。
そんな中、いっちゃん先生は肩を更に深く落とした。
「はあ…、あいつ、勘違いしてないか…?
襲うってのは神崎を、って意味だったんだが…
ま、いいか」
いっちゃん先生は適当に自己完結させて俺の後を追った。
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