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少年、新島慎二は不思議な鳥を見た。
真っ黒な両翼のない鳥。
慎二はなぜか、その鳥に惹かれた。
その日からと言うのも、毎日黒い鳥を見ている。
ある日、慎二は両翼のない黒い鳥について気になったため、ネットで調べた。
すると、ネットではこう書いてあった。
《両翼のない鳥は心の闇が深い奴にしか見えない》
と。
「・・・俺みたいなやつにしか見えない・・か。そうだったんだな。お前」
慎二は黒い鳥に向かって一言言った。
慎二が何故、そういったかと言うと、言った言葉のそのとおり。そのまま。
慎二は幼くして、両親をなくしてしまった。それからは、仲の良かった人のところで育った。
だが、その人も先日亡くなってしまった。
一人になったせいか、親が死んだせいか、定かではないが、
慎二の心の闇は凄く深かった。
それで。黒い鳥が見えてるのだと思った。
「似たもの同士・・・お前も俺も、もう二度と飛び立つことはないだろう・・」
また慎二は黒い鳥に向かって、呟いた。
黒い鳥もそれに答えるかのように、慎二に寄り添った。
「・・・お前がいれば・・何もいらない気がする・・」
慎二はそういって、その日から、黒い鳥と共に過ごしていくのであった。
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