帰り道

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そんな梅雨の前の、 私が小学3年生の時の話だ。 いつもの学校の帰り道、私の少し前に車が止まった。 私は一瞬緊張したが、家に帰らなければいけない。 車の横を通り過ぎようとすると、ドアが開いた。 「ネェ役場はどこかな?」 車の中から、男が聞いてきた。 顔は思い出せないが、 優しい声だった。 私は緊張しながらも、 指を指し、 「あっち」 と言った。 それでも男は尚、 「分からないから、車に乗って教えてよ」 と、しつこく聞いてきた。
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