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結局、書き終えたのは時計が8時を回った頃であった。
不比等は、荷物をまとめて職場を後にする。
行き先は、帰り道にそびえ立つ『商店街』である。
「ヨモツさん、今日は疲れたから出来合いの物でいい?」
「あらぁ?不比等、疲れたのは誰のせいかしらねぇ」
ちなみに外出時、ヨモツは姿を消し普通の人には見えないくなっている。
その為、不比等は端から見ると小声で一人ブツブツと呟いているのである。
「ヨモツさん…あんまり苛めないでよ…」
「フフフ、やっぱり不比等苛めは堪らないわぁ~」
それを聞いた不比等は、慣れない残業でげんなりした顔をさらに萎らせてしまった。
まぁこの後、行きつけの惣菜屋のオバチャンに「いい男なんだからしっかりおしッ!」と、渇を入れられ、おまけでカツレツを貰っていた。
何気に得をした不比等であった。
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