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D組はすぐ近くの教室で、三嶋のグチを聞かされてるうちにたどり着いてしまった。
もう5時前なんだから、残ってる人は少ないはずなのに、D組はまるで昼休みのようだった。
人はたくさんいて、それどころか、女だらけだった。
「三嶋、何の用があるの?」
僕は訊きたいことを訊いてみた。
三嶋は羨ましいものを見るかのように、教室を覗いていた。
「高野に教科書借りてたからさ、返すついでに、あのRENを見にきたんだよ」
悪戯なガキのような笑みで、三嶋は答えた。
三嶋は身長が150cmもないチビだから、気付かれることはないと思うけど…
「高野?だれそれ」
「中等部からいる奴で、RENの親友なんだとさ。俺は部活で仲良いからさ」
中等部からいる人は少ない、と聞いた。
理由は知らないけど、中等の校則は厳しすぎる、という噂がたっているけど、運動場で見る限り、普通の中学より緩いと思う。
「三嶋ー、よくきたな。なにしてんの?入りなよ!!」
覗いていたのがバレたのか、すっごくイケメンの人が僕たちの前にくる。
「なんか騒がしいからさー」
「あぁ、RENの客だよ(笑)男子いなかったから退屈してたとこなんだ、入りなよ。…えっと、お友達?かな」
ニコニコの笑顔で三嶋と会話を交わし、僕を見て少し気まずそうにする。
「こいつはシン。知らねーの?」
「ああっ!!知ってるよ、噂通りめっちゃかっこいいね!!入って入ってー、俺は高野。よろしくね」
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