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それより。
最近、高野の様子がおかしい。
熱があるとか、そんなんじゃなくて…おかしい。
「ねぇ」
着替え終わり、声をすこし高めて、高野の側に座る。
返事がない高野。
きっと、また考え事だ。
「彼女でもできたの?」
いつもの遊び恋なら全然いいんだけどね
中学んとき、高野が本気で好きになった、あのユミって女、嫌いだったな。
たしかあれは中2の秋────
「依蓮、俺。好きな奴できた」
学校からの帰り道、話があると呼び出した高野の照れた表情。
「ふーん」
だれ、って訊きたいけど…
訊いたらダメだよね。なんかそんなかんじ。
「あれ、気になんないの!」
「だって、高野の勝手じゃん」
「……はぁ。お前のこと、よくわかんないわ」
その照れた表情は一瞬にして消え、呆れたと言わんばかりの顔。
…よくわかんない、なんて。
そりゃ友だち歴1年くらいだし
わかられたら、やばいよ。
いつも心臓が飛び出るくらいどきどきしてるもん…
「じゃ。」
え!帰んの?
「高野、話…」
「いや、またあしたな」
いつもなら送るって言ってついてくんのに。
珍しいな。
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