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三嶋と駅で別れ、僕はひとりバスを降りた。
「あ゛ー!お前、嘘ついたのっ?」
聞き慣れない声と、少し驚く言葉が僕の中で響き、声のするほうへ振り向いた。
…高野くんだ。
嘘ってなんのことかな…
初対面も同然な僕が高野くんに嘘をつくはずがない。
それに高野くんの隣には、あのRENがいた。
「お前なぁ…」
笑ってるのか怒ってるのか。
どっちなんだろうか、高野くんは。
とにかく、僕に近づくふたり。
「ケータイ持ってんじゃん!」
「えっ?」
驚いてしまったが、僕の制服からケータイが顔を出すかのように、見えてあった。
さっきは近づきすぎて気づかなかったんだろう。
「嘘が下手だな」
鼻で笑うRENと不気味な笑みの高野くんを交互に見て、僕は泣きそうになる。
この人たち、絶対ヤンキーだよ…
高野くんは髪の毛オレンジじゃん。
RENくんは黒いけど、怖いよ
僕、お金なんてないよ…
「…げっ。RENー泣いたよ」
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