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「なに。臆することはないさ」
そう言ってオルカは、腕を組んで胸を張る。
「さぁ、入って入って」
お、おいと、言葉を発するこができないままサンタは、その荒んだ扉の中へと入れられた。
「……」
中は、教室の半分くらいの狭さで、所々に何が入っているかもわからない、古い段ボールが置かれていた。
そして、数人の人影。
「……よぉ」
「……ども」
その中には、サンタとオルカを外し、三人の人間がいた。
「お前がオルカの言ってた、新しい《仲間》か?」
そう声を発したのは、夕闇をバックにして窓に寄りかかっている、朱色の髪をした少年だった。
「……まぁ、仲間っていえば仲間かな……」
「何だか見ない顔だな、お前」
朱色の髪の少年は、そう言ってサンタの方へと歩みよってくる。
「いやまぁ、休業っていうの? そんな感じで少し休みを取ってて」
「……ふぅん」
そう言って朱色の少年は、後少しでサンタの顔面に衝突するかのような勢いで、サンタを睨み付ける。
「やめなよ。シュウ」
そして、それを仲裁するものがいた。
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