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「まぁ、不登校というかなんというか……そんなところだけど。……クラスは……F」
「F!?」
サンタの、消えてしまいそうな程のその小さな呟きを聞いて、アオは眼鏡を押さえて驚きの表情を見せる。
「Fっていえば君、超落ちこぼれの──失礼、魔法が使えないような人達が集まる特殊なクラスじゃないか」
「まぁ、ちょっとした訳があって……俺、魔法が使えない──使えなかったんだ」
「使えな……」
「使えないってなぁ」そんな声がサンタの右方向から届く。
「お前みたいな奴が、俺達烏の中でやっていけると思ってんのか? あぁ?」
それを言ったのは、シュウだった。彼は、眉間にシワをよせながら、肩肘をついている。
「──ちなみに烏っていうのは私達のチーム名ね」
そんなシュウの態度など意に返さないように、オルカが横から入る。
「え、でもここには幽式部って名前があるはずじゃあ」
「幽式部っていうのはね、私達を含めた全体のことを差す名前なのよ。幽式部は私達で全員じゃないわ。もっと沢山いるのよ?」
「そんなでかいクラブなのか? 幽式部ってのは」
「あぁ」と、シュウが答える。
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