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「今日はここまでにする?」
言ったのはオルカだった。
「なんか雲行きも怪しいっぽいし」
「そうだな」「そうだね」「そうだそうだ」
一同も賛成したようだった。サンタもコクりと頷く。
「よし、それじゃあ帰ろっか。みんな、」
オルカが、喋っている途中だった。
オルカの後ろの闇の中からから、──紅い二つの光点が現れたのは。
「オルカ! 下がれ!!」
シュウは叫ぶと、両手を合わせる。
アオは、すかさず状況が理解できていないオルカの後ろに立つと、両手をを前につきだした。
「結界魔法!」
オルカとアオを囲む、蒼い球体。
同時に闇の中から高速ででてきたそれは、玉へとぶつかり、鈍い音を立て、それを盛大に《破壊》した。
「くぁ!」「ぐ!」
そんなうめき声をあげながら地面を転がる二人。
「破壊魔法」
それと同時に、朱色の熱線がそれに向かって一直線に飛んでいった。
琥珀色の輝きをあげながら四散する、その光芒。
やがて、そんな攻撃など意に返さないように、魔物が、その大きな肢体を前へとさらけ出した。
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