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「ずおおおぉぉぉ……」
全てが脂肪で出来ているかと思わせるくらいの、巨大な腹。そして、太い手足。酷く大きな頭。体長、三メートル。
そこには、人あらざるものの姿をした、異形が立っていた。
「どうする、逃げる!?」
言って皆を見渡すヒイ。
アオとシュウは、立ち上がると臨戦体制をとる。
「いや、戦おう」
それを言ったのは、オルカだった。
オルカは、腰から短剣を取り出すと、それを中段に構える。
「へ、流石逃げないとは、オルカ姉さんこりゃ豪胆だね」
言ってシュウは、組み合わせていた手をほどき、ぶらぶらとする。
「で、逃げない理由は?」
言ったのはアオだった。
「僕たちだけじゃ結構きつめだよ? この魔物。ランクは、……Aランってとこ」
「大丈夫よ。いけるわ。私達なら。それに、サンタ君もいるし」
「俺はやくに立たないぞ!?」
慌てて反論するサンタ。
オルカはくすりと笑うと、話を続ける。
「とにかく、こいつはいずれ倒さないと前へは進めないわ。今やったっていつやったってそれは同じことよ。──なら今やる」
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