幽式部《ユウシキブ》

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★ 「サンタ君ってさ、今まで何やってたの? サボり?」 「ん、まぁそんなとこかな」 サンタが世界を守った、という情報は、どこにも回っていいようだった。 「ふうん、なら良いんだけどさ」 そう言って、彼女は、何かを見透かしたようにニタリと笑う。 「面白い話があるんだ」 彼女は、そう言った。 「……面白い話?」 彼女は、うん、と言い、あのさ、と切り出す。 「実はね、私秘密のクラブに通ってるんだ」 「クラブ、ねぇ」 「うん。所謂非合法クラブってとこかな。名前は幽式(ユウシキ)部っていうの」 「幽式部」 確かに、初めて聞く名前だった。幽式部。そんなクラブは、この学校には存在しない。 彼女は続ける。 「でさ、ものは相談なんだけど、サンタ君にも幽式部に入ってもらいたいなぁ、だなんて思ってさ」 「それって、学生運動なんじゃないのか?」 「ちゃーうちゃう。そんな仰々しいものなんかじゃないよ。なんていうか、軽いのり? 秘密のクラブ作っちゃえー、みたいな」 「みたいな」 「そうそう。誰が作ったのなんか知らないけどねー。で、どうする?」 .
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