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「サンタ君ってさ、今まで何やってたの? サボり?」
「ん、まぁそんなとこかな」
サンタが世界を守った、という情報は、どこにも回っていいようだった。
「ふうん、なら良いんだけどさ」
そう言って、彼女は、何かを見透かしたようにニタリと笑う。
「面白い話があるんだ」
彼女は、そう言った。
「……面白い話?」
彼女は、うん、と言い、あのさ、と切り出す。
「実はね、私秘密のクラブに通ってるんだ」
「クラブ、ねぇ」
「うん。所謂非合法クラブってとこかな。名前は幽式部っていうの」
「幽式部」
確かに、初めて聞く名前だった。幽式部。そんなクラブは、この学校には存在しない。
彼女は続ける。
「でさ、ものは相談なんだけど、サンタ君にも幽式部に入ってもらいたいなぁ、だなんて思ってさ」
「それって、学生運動なんじゃないのか?」
「ちゃーうちゃう。そんな仰々しいものなんかじゃないよ。なんていうか、軽いのり? 秘密のクラブ作っちゃえー、みたいな」
「みたいな」
「そうそう。誰が作ったのなんか知らないけどねー。で、どうする?」
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