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「それよりも、さ」
サンタはそう言って、彼女を横目でチラリと見る。
「──君は誰なのさ。さっきから俺の横についてきて」
サンタは、只今下校中。
彼女は、何故かそんなサンタを見て、後を着いてきた。
彼女は、あれっと言い、唇に手を当て、にこりと笑う。
「私の名前知らないかぁ。そうかそうか。成る程ねぇ。私の名前はオルカ。まぁまぁ、よろしくね」
──オルカ。そう言った少女は、わざとらしく、にこりと笑った。
サンタは改めてオルカを見る。
彼女は、紅い髪を首筋辺りまでたらし、小動物のような目をしていた。背は、女子の平均といったところ。
「幽式部の勧誘係をやってます」
「勧誘係、ねぇ」
サンタは言って、天を仰ぐ。灰色の空だった。まぁ、こんな日も、悪くはない。サンタは思って、嘆息する。
「そんな何やってっかわからない、怪しい部活に招待されてもなぁ」
「怪しくないよ。学校探検団っていうの? あれじゃん。セラスタって謎が多いじゃん。それを解き明かしていくの。どう? 面白そうでしょ」
「面白そうって──小学生かよ……」
「そんなこと言わないでよぉ! いいじゃん! 入ろうよ。良いでしょ? ね。お願い」
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