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「まぁ」
考えておくよ。
そう言ってサンタは、オルカに手を振った。
今は、なんとなく、そんな気分じゃない。暇になったら、もし、暇と思えるほど、心が落ち着いたのなら──
声をかけよう。
サンタは思って、オルカと別れた。
★
「とは言っても、することないよなぁ」
自室。
サンタは言って、ベッドに飛び乗る。
「あぁ。まじでどうしようかな。幽式部。気になるなぁ。入ってみようかなぁ。でも面倒くさそうだなぁ。あんまりそういうのに関わりたくないなぁ。あぁ、でもこの心の模様はなんなんだ。はぁ、はぁぁぁぁぁ」
何て独り言を言いながら、ベッドを転がるサンタ。
心が、落ち着かなかった。
『必ず、後で会おう』
そう言って去っていった彼女。
「──エルファ」
『幽式部っていうんだ』
『もし良かったら、サンタ君も入らないかなぁと思って』
「──オルカ」
そして、最後にサンタの頭に思い浮かんだ人物。
ニコリと笑う、あの屈託のない笑顔。
──サンタ。
「──……」
──……サンタ。
「だぁ! 駄目だ駄目だ! あれを思い出しちゃだめだ! 寝る。今日は寝る!」
そう言って、強引に布団を被る、サンタだった。
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