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「で、決まった? サンタ君。幽式部に入るって」
一週間後の昼休み。
オルカは、わざわざサンタのクラスにまでやってきた。
一人で外を見ていたサンタの向かいの席へと座り、あの、独特のわざとらしい笑みを浮かべる。
「ねぇ。決まったの?」
「決まってねえよ」
サンタは、言ってそっぽを向く。
それを見たオルカは、そのサンタの行動を、面白そうに、見て、あーあ、とわざとらしくため息をもらした。
「もしかして、何か《悩み》でもあるの?」
悩み。
「あるの?何か人に言えない悩みでも──」
「──オルカ」
サンタは、その言葉を最後まで聞かずに、遮っていた。
サンタは、先程よりも少し目をきつめて言う。
「俺がその《なんたらクラブ》に入らないのは、《そんな》理由じゃない」
「そんな、ねぇ」
オルカは、してやったり、という表情を浮かべると、話を続けた。
「じゃあ、サンタ君が幽式部に入らないのは、他に何か理由があるの?」
「──それは……」
「──なら」
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