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言ってオルカは、口を薄く開け、それから妖艶っぽく笑った。
「なら、別にいいんじゃない? 暇で、することなくて、悩んでるわけでもない。ならそれでいいじゃない。入ろうよ。幽式部」
「……」
サンタは、一度黙ると、オルカの方をチラリと見た。
やはり、笑っていた。
はぁ、とサンタはため息をつく。
「わかったよ。わかった。入ってやるよ。幽式部」
「え、それ本当?」
言ってオルカは、大袈裟にガッツポーズを取る。
「やったぁ! サンタ君が幽式部に入ってくれた!」
「……あぁ」
サンタは、そう言って自虐的に笑った。
こうしてはしゃいでいるオルカを見ると、何故か笑わずにはいられなかった。
★
放課後、オルカに連れられたサンタは、連れられるがままに校舎を歩いていた。
「どこに行くんだよ」
「着いてから、のお楽しみ」
オルカは、先程からこればかりだった。
はぁと嘆息しながらサンタ達は、校舎の上へ上へと向かっていく。
「ここでーす」
オルカが指を差したところは、もう、何に使われているのかもわからない、本当に、荒んだ扉だった。
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