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「なにっ!また盗まれたのか!」
電話に向かって怒鳴っている
そんな父親を梨恵はじっと見ていた
電話を切った父親はスーツに着替えた
「行ってくる。帰りは深夜になるから。戸締まりしとけよ」
「はい」
父親は出掛けていった
一人になったリビング
梨恵はため息をついた
また『狐』が出たのだと確信した
『狐』は狐の面を被り着物を着ている男の泥棒だ
彼は予告状を出さないのでいつ何処に現れるか解らない
父親は『狐』の担当刑事だ
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