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家に帰ってから私は要に聞いた
「…なんでそんなに優しいの?」
少し不思議そうに要は私を見た
「優しい男は嫌いですか?」
「…そういうわけじゃないけど」
すると要は優しく微笑んでソファーに座っている私の隣に座った
「わたしはお金儲けであんなことをしているわけではありませんから。それに、素晴らしい方でした。わたしに指輪を差し出す時、拳を強く握って少し悲しげでした。本当にお金が無かったんでしょう。あげたくないものでもあの絵がそれほど大事だったんだと思います」
そんな要が本当にかっこよくて私は少し誇らしくなって抱きしめた
「…私達もそんな夫婦になりたいね」
「ええ。勿論ですよ」
すると要は優しく唇を重ねた
少し離して見つめあってまた重ねた
本当に幸せ
これからも要と一緒に歩んで行きたいって思った
お互い同じ歩幅で歩いていこう
辛いときは支え合おう
嬉しいときは一緒に笑おう
ねぇ、お父さん
要は、『狐』はいい人だよ
確かに物は盗むけどね
でも私は要の事が大好きです
許してくれるよね?
私は要と一緒に生きていきます
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