見てはいけない

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ガタン… ガタン… レナは男と逆側の車両にトイレだと言って席を立っていた。 美妃は早く戻ってきて、また…キスをしたいと思うと…生乾きのショーツはまた湿り気を帯びてきた… レナ… カツン… コツン… 美妃の後方からヒールの足音が聞こえた。 レナだっ! 美妃は眼を閉じて唇を差し出した… カツン… コツン… カツッ…! 『お待たせ…』 レナは美妃の肩を優しく掴んだ… 『さぁ…クックック…こっちを見て…』 生臭い香りがレナの口から漂った… 生臭い…? 『何をしてるの…ミキ…ハヤク、メヲアケナサイ』 美妃は薄目を開けた… ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・! レナの瞳は黄色く変色し…顔は傷だらけで開いた傷口から膿が流れ、腐廃臭を体内から発していた… 憑依されたんだ…! 奴らに…! ガタン… ガタン… 電車はスピードを上げて走っている… 『ドウシタノ…?ミキチャン… ガッハッハッハッハ…』 レナの声は野太い男の声に変わっていた… 霊界ルールその1… 霊に遭遇したら相手に自分が気付いた事を悟られてはいけない… どうしよう… このまま目を閉じたまま… いつまでもつかしら… 美妃はこの後の恐怖に身震いをした… END
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