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死ぬと決めた日から、4日が経とうとしていた。
幸子は、ビジネスホテルに偽名で滞在していた。
どんな死に方でも構わないけど、死ぬなら痛みがない方がいい。
今まで散々苦しんできて、死ぬ時まで苦しいのは嫌だった。
武の顔が思い浮かぶ。
母親が父親のせいで自殺したと知ったら、あの子は苦しむだろう。
自分が弱いせいで、武を苦しめてしまう。
そんな母親を持ったあの子が可愛そうで、仕方がなかった。
英里のせいだ。
でも、英里と浮気したのは夫幹夫だ。
あの二人が愛しあってる姿を、想像しただけで、胸が張り裂けそうになった。
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