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武を実家にしばらく預ける事にした。
母に何かあったのかと聞かれたが、正直に答えることは出来なかった。
昨日、家の中に幸子の失踪先の手掛かりがないか、調べてみた。
そしたら、精神安定剤が出てきたのだ。
何を悩んでいたのだろうか、恐らく俺と英里の浮気だろう。
でもいつから、知っていたのだろう?
全くそんな風には、見えなかったのに。
幹夫は、1週間事情を話し、有給休暇をもらった。
英里から何度か連絡が来ていたが、電話を取る気にはなれなかった。
男は勝手なものだ。
安定した環境にいると、刺激を求める。
しかし、足場がぐらつくと、急に安定を求め出す。
幹夫は、色々と幸子の手掛かりを探して見たが、なかった。
幸子はいつも辛さを一人で抱え込んでしまう、そう云う性格だって事を思い出していた。
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