1550人が本棚に入れています
本棚に追加
/123ページ
何時間たっても、警察からの連絡はなく、幹夫は途方に暮れていた。
夕方実家の母から連絡があり、その時、初めて真実を告げた。
母は驚きの余り倒れこんだ。
息子の浮気が原因で、妻が失踪し、失踪するまでそんな様子にも気が付かないなんてあり得ないと、誰しも思うだろう。
妻の実家に、母が電話を入れて事が大きくなっていった。
幸子の家族や、幹夫の家族が、全員幹夫の家に集まった。
そこには、幸子の母に呼ばれた英里の姿もあった。
「幹夫さん、英里さん、どう言う事か説明して頂戴!」
幸子の母が泣きながら、幹夫を責めた。
「幸子が死んだら、私はあなた達を許さない!!」
幹夫の母は、ただ頭を下げ続けた。
「まさかこんな事になるなんて・・・」
英里は、ため息をついた。
それでも英里は、幹夫に言った。
「私は、幹夫さんをあきらめない。」
幹夫はぞくっとした。
この女は、もしかしたら、幸子が死ぬ事を望んでいるのかもしれないと思った。
最初のコメントを投稿しよう!