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もしも
何もない穏やかな繭の中に居られたら
あのままずっと
変わらずに居られたのかもしれない
もしも
蔦を手繰り寄せるように
あの時君の手を取っていれば
今も一緒に笑えたのかもしれない
それでも
この小さな両手にしか
大切なモノは抱きしめられないから
せめて別れ道は振り返らずに歩くよ
切り捨てた想いを胸の奥深くにしまって
君のことは信じていた
ずっと手をつないでいたかった
笑い合うのが心地良かった
でも
そんな君よりも大切なモノがあるから
だから 行くね
君がくれた温かい思い出が支えてくれるから
私でも ほら 歩けるよ
一人でも
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