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―‥今日も、1日が始まる。
憂鬱だ。
小鳥の囀りさえ
耳障り。
「学校、行こ…」
「どこ行くんだよ。李茶」
李茶、と呼ばれた女は
男に腕を捕まれた。
「…はぁ、離してよ、龍」
龍、李茶にそう呼ばれた
男は眉間に皺を寄せた。
「俺が質問してんだ、答えろ。」
「学校」
「行かせると思ってんのか?」
「アンタと寝るのも疲れた。」
2人が言い争っているのは
荒れたベッドの上。
2人が愛し合ったことは
言わずと知れた。
「だからって、行くのかよ」
「今日は行かなきゃなんないの」
「ちっ…勝手にしろ」
李茶は早々と支度をした。
李茶が学校に行くのには
理由があった。
新学期ということもあるが。
龍といたくないのだ。
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