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「ん~。じゃあ、妖酒の上を十升と、妖酒の並を十升、それから、桜酒の特上を一升。お願いします。」
「かしこまりました。では、すぐにお持ちいたしますので、入口付近でお待ちください。」
―――…
「お待たせいたしました。」
「ありがとう。」
しばらく待っていたら、大きな荷物を店員(?)さんが持ってきた。
「…。こんなに頼んだっけ?」
「そりゃ二十升も頼めば、この量になるわな。」
「…なんで言わなかったの?」
「あいつらは、あれぐらい普通に飲みますよ。」
「……。」
さすが妖怪…。
―――…
あれから、お会計を済まして、帰り道。
「…あの、ごめんね?重いもの持たせちゃって…。」
「別に…。」
「構いませんよ。」
結局、二人に十升ずつ持ってもらって、私は母様へのお土産を、一升持ってるだけだった。
「ありがとう。」
何だかんだ言って優しいんだよね。
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