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ぱちん…
繋ぎ目が外れないように余った糸を切り終えると、アクアは嬉しそうに縫い合わせた身体を抱き寄せた。
魂は既に存在せずとも、自分の半身が目の前で形になることの喜びに忘れかけていた笑顔が自然と浮かぶ。
…やっと出来た、容器。
縫い物なんて生まれてから一度もやった事はなかったが不器用ながら丁寧に縫い上げた。
時々、腕を左右間違えてしまったり関節一つ忘れて指をくっ付けてしまった事もあったがこの瞬間でそんな苦労はどうでも良くなってしまう。
腐りかけてる皮膚から骨が見え隠れしてしまっているし、ウジ虫が湧いてきているけれどそんな事は対して問題でない。
次は兄の魂を呼び寄せる為の生贄を調達する為に、先走る気持ちを抑え出来上がったマアの身体に布を被せると獲物を探しに手術室を後にしたー…。
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