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血で濡れた手をハンカチで拭うと足元に固定され置いてあったクーラーボックスを膝に抱えると鍵を解除し蓋を開ける。 「…それは何です?」 今まで無言だった操縦席に座る全身黒服の操縦士が問うと、男はクーラーボックスの中から少し大きめの瓶を取り出した。 「ローズピンクの目玉さ」 それはホルマリン漬けされた二つの目玉… ピンク掛かった赤い瞳で光の加減で色付きが変わって見える不思議な瞳だった。 「それっ…ルクシャ族の瞳ですか!?」 その瞳を目にした操縦士は我を忘れた様に高い声を上げた。 しかし男はその反応に驚く訳でも賛否する訳でもなく、唯々瓶を眺め笑っていただけだった。 …天使は嘲笑う…終  
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