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「グルルルルルッ」
唸りながらじりじりと詰め寄るワーウルフと、それに合わせて後ずさる少女…
恐怖のあまり、少女はくるりと向きを変え駆け出した。
「ガァァァァァッッッ」
一吠えし、ワーウルフ達も走り出す。
木の枝が身体に当たろうと、草が足に傷をつけようと、とにかくがむしゃらに暗闇の中を走りつづけた。
しかし、追いかけてくる足音は消えない。
それどころか、近づいてきてるようにも感じられる。
時折、後ろからヒュッと風を切る音が聞こえてきた。
おそらくワーウルフが腕を振り回している音なのだろう。
つまり、それだけ距離が縮まっているという事だ。
「やだやだやだやだやだぁっ」
少女はその事を察知したのか、ワーウルフの爪が届かないよう必死に足を動かす。
少女の必死さを嘲笑うかのように、ヒュンヒュンと後ろの音が迫ってくる。
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