16人が本棚に入れています
本棚に追加
「……命令?私を連れてく?……じゃあ、私のせいでこんな事になったの?」
様子が変わったことに気づき、ワーウルフは不思議そうに少女を見つめた。
さっきまで恐怖で震えていた身体は、今は怒りに震えている。
ほとんど逆さに持ち上げられている状態でワーウルフを睨み、少女は身をよじった。
「放してっ、放しなさいよっ! 許さないっっ! 母さんをどうしたのよっっ」
無茶苦茶に腕を振り回し、ワーウルフの身体や顔を殴りつける。
「グ……ヌ、ヌウッ」
思わぬ反撃に、ワーウルフはたまらなくなって少女を投げ飛ばしてしまった。
迫って来る地面に、少女は固く目をつぶるしかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!