第1章 始まりの日

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脳内大混乱で知恵熱でも出しそうな勢いの様子に、青年は苦笑しながらリラをベットに座らせた。 それから部屋の窓を開けると、爽やかな風が部屋を満たす。 「まず、俺はミリアナとは昔からの付き合いで、お前の事も知ってる」 目の前の青年はどう見ても二十歳前後にしか見えない。 リラは、年齢差のある2人が"昔からの付き合い"と表現されることに、少し違和感を感じた。 「俺達があの森にいたのは、もともとミリアナに呼ばれていたからなんだ」 つまり、あの場に現れたのは偶然ではなかったという事だ。 しかし来客の予定など、リラは知らされていなかった。 伝え忘れていただけなのか、秘密にされていたのか…… どちらにしろ納得いかないという感情が、リラの表情に表れている。
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