第1章 始まりの日

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「超がつくレア物ね……。なんだって形も大きさも、誰も分からないって代物だし」 いつの間にか、一人の女性がドアの前に立っていた。 青年の隣に腰掛ける女性に、リラは思わず見とれた。 (きれいな人……) 茶色の長い髪を高い位置で一つにまとめている。 瞳はグレーで、少し吊り目だ。 きつめの美人というところだろうか。 身長も女性にしては高めで手足がスラリと伸びている。 ……おまけに胸が大きい。 道を歩いているだけで、周りの男が放っておかないだろうということが予想できた。 リラが自分の胸と比較しそうになった瞬間、今度は威勢のいい声が部屋に入ってきた。 「はいはい、朝ごはんお持ちしましたよぉ」 どっしりとした感じの中年女性が、大きいお盆に3人分の朝食を持ってきた。 ここの宿屋主のようだ。
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