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ピンポーン
「はーい」
インターホンが鳴ったので、玄関に駆け足で向かう。
ドアを開けると、そこには同じクラスの朝倉敬也が大きな旅行バッグを持ち立っていた。
……いや、もうひとり……?
「……敬也、君。え……どうしたの」
突然の予想もしない奴の訪問に面食らう。
「“君”とかいらないよ、とりあえずお邪魔しまーす」
「え、え?」
敬也は、俺の動揺なんて気にも留めず、許可も無しにアパートの中へと無断で入ってきた。
「ちょっ、待てーい!
お前と俺、喋ったこともねぇだろっ!」
「え?そうだっけ?」
そう、俺たちは友達でもないし話したこともないのだ。
そんな惚けた顔で見上げて来る顔は、……イケメンだ……完敗。
でもなぜそんな奴がうちに?
俺が後を追って部屋に入ると、敬也はテーブルの前に座り、抱えていたもうひとりをテーブルの上に寝かせ置いた。
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