青い世界

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   意図せずとも、もう、二人の視線が交わることはなかった。    君は壁にもたれて、窓の外を見ている。  二人きりの部屋に、声は無く、音は無く、遠くに電車の音がかすかに聞こえた。        震えない喉と、不思議なくらいおとなしい心臓に、無償に腹が立った。     「このまま、」  彼女の唇は言葉を紡いだ。 「世界が終わってしまったら、どんなにいいか。」    
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