青い世界

3/3
前へ
/14ページ
次へ
   いつかの赤い想いは、気付かぬうちに、そう。まるで夕焼けが藍色に染まっていくように、形を変えてしまった。    二人は知っている。もうあの頃のように笑いあえないことを。     「あなたを殺してしまいたい。」    彼女の声は小さく、青い世界に吸い込まれていった。                彼はその場に崩れた。  いつのまにか立ち上がった彼女の顔は濡れ、しかし、笑っていた。     終
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加