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青森山田高校を撃破してから、2週間後の聖城学園高校は、戦争部の快挙によるフィーバーも収まり、いつもの落ち着きを取り戻していた。
すでに2学期が始まって1ヶ月が経とうとしており、授業の方も、いよいよ本格的に新しい分野が始まろうという段階だ。
しかし、こと咲山流歌と夢音未来にとっては、他とは少し事情が異なった。
「るーちゃん……おめめってこんなに疲れたっけ……?」
「余った魔力を魔法陣に固定して、次の戦いでもすぐ利用できるようにしてあるからねー……これが狙いだったとはいえ、予想外に疲れ残ったね……」
まだ1限が始まる前だというのに、机に伏せっていたのだ。
1週間以上疲れが残るのは覚悟していたものの、まさか2週間後も響くとは思わなかった。
窓際の席で3列目と4列目に並ぶ2人は、クラス全体にだるそうな空気を撒き散らしており、それを見兼ねた真希がため息をつきながら声をかけた。
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