空1 無表情の少女

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「飛鳥早く行こう!」  朝食のトーストを手に取りそのまま玄関へと走りながら綱吉は言う。  しっかりと朝食を座って食べ終えた飛鳥はゆっくりと立ち上がり荷物を手に取った。 「母さん行ってきます!」  遅刻だ遅刻だと騒ぐ綱吉の声を聞きながら飛鳥も言う。 「奈々、行ってきます。フェイとリュウをよろしく」 「うん、アーちゃんもツッくんもいってらっしゃい」  笑顔で手を振る奈々の姿とその奥にいる二匹の動物の姿を見てから飛鳥も先に家を飛び出して行った綱吉の後を追って出掛けた。  騒がしくも幸福な日常が今日もやってきた。  寝坊に慌てる綱吉にそれを優しく叱る奈々。  その親子の光景を無言で見守る飛鳥。  沢田家、沢田親子の当たり前の日常、だ。 「さーて、朝の嵐も去ったしお片付けしましょう。フェイとリュウ、お手伝いお願いね」  奈々の言葉に二匹の動物が動くのだった。 .
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