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「望美さん、知ってましたか?君…嘘を付く時は目を見ないで話すんです。いつも目を見て話すから…すぐにわかります。」
…嘘、つけないね…
「どうしたんですか?」
「皆とお別れだな…って。そう思ったら悲しくて…」
「望美さん…。」
これも、微妙に嘘。確かに皆と別れるのもツラいけど…
「僕も…悲しいですよ。」
「え…?」
「約一年の短い間でしたが…。その一年という月日の中に収まりきらない…沢山の思い出。戦中だったので、不謹慎だと思いますが…楽しかった。
戦が…終わった今、その人達と別れなければいけない。
望美さん…皆も同じ思いをしてますよ。それぞれ…皆悲しんでます。寂しく思ってます。
君だけでは、ありませんよ。」
そう寂しそうに笑う。どうしよう…泣きそう…
「そうだ…明日、出掛けてきませんか?少々山の中ですが…良い場所があるんです。」
「行きます!行きたいです!」
最後の…想い出として…
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