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12月。
いよいよ冬の寒さが本番となってきた頃である。息を吐けば白い靄となり凍てつく冷気が容赦なく肌を吹き付ける。
???: 「あぁーさむい今すぐ帰りたい」
そんな中1人の男が公園のベンチで空を見上げながらだるそうにつぶやいた。
???: 「そう言うなって灯夜(とうや)こっちまでやる気がなくなる」
そう返したのは灯夜と呼ばれた人物の隣にいる痩せた男だった。
灯夜: 「‥‥‥学校の補習にやる気もなにもないだろうよ広季(ひろき)」
広季: 「ぼくは灯夜なんかと違ってマジメだからさ」
と自信満々に答えられた。
灯夜: 「出席日数が足りなくて補習送りになったやつのセリフかそれ?」
広季: 「‥‥まぁ少なくとも校舎の壁を破壊した挙げ句に逃走して捕まり補習送りの人物よりはマジメだと思うけどね~」
含み笑いを浮かべながら広季は言った。
灯夜: 「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
返す言葉がなかった。
ところで勝ち誇った顔をしている広季だが灯夜と同じ補習をうけてる時点で同レベルだということに気づいているのだろうか?
灯夜: 「あ、あれはオレのせいじゃないて美姫(みき)のやつが‥‥‥」
何気ない日常のやり取りをしていた灯夜と広季の会話は唐突に途切れることになった。
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