-序章-

3/6
前へ
/11ページ
次へ
~†~ 『異存在駆逐機関』 世間に公にされる事のない、国家機密の機関だが、恐らく、この国で最も大きな機関である事は確かだろう。 機関に所属する者は、ほぼ全員が黒衣を纏う事が義務づけられている。 そして、世間一般に、機関の事を他言してはならないし、存在を公にするのも禁じられ、世間からひた隠し続けられる。 その理由は唯二つ。 彼等自身が異存在に近しい存在であるから、特殊な人材の集まりであるからの二つである。 国民の約八割が、特殊な能力を持つ、この国では、能力自体はさほど珍しい物ではない。 寧ろ、知らない、使えない者の方が、珍しいし、馬鹿にされる程だ。 しかし、機関の者達は、その常人達をも卓越した、言わば特殊の中の特殊であり、表に出せない程の、力をその身に有していると言う。 つまりは、化け物退治をする化け物の集まりと言う訳だ。 彼等のおかげで、世界は平静を保つ事ができ、人々が地上で生きて行けるのである。 『国立図書館秘蔵書架より』 『著、幾神彩斗  世間の安泰を保つ機密』 .
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加