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「精神状態クリア、身体の方も異常は無しです」
「そっか、ご苦労様」
医者の着るような白衣を纏った男は、隣に居る白ずくめの青年に向き直った。
此処は、異存在駆逐機関の、地下4階、第3実験室。
筒の様な大きな水槽じみた物が並ぶ、薄暗い異質な部屋だ。
そこに現在居るのは、名前さえ与えられていない研究員と、真っ白な衣装に身を包む青年、白鷺櫁瑠だけだ。
機関の中で、一番危険な前線に繰り出される、殺戮機関員No.40系の実力ナンバーワンであるNo.41である白鷺櫁瑠。
彼は先程、任務から戻り、そのまま、この実験室に足を運んでいた。
「黒い服は嫌いだよ、自分の性に合わないから」
「仕方ありません。
機関長のご意向ですから」
任務の愚痴を、櫁瑠は零す。
何しろ、任務に着て行く服が嫌いだからだ。
彼、櫁瑠の機関での通り名は、『白い死神』。
任務以外では、白い衣装しか身につけない事から来た名だ。
そんな、白い死神は、機関長と服の愚痴を言っては、研究員を困らせている。
端から見れば、他愛ない、上司と後輩の会話だが、彼等がいる場所には、明らかな異常があった。
筒状の大きな水槽じみた物がある時点で、異質は異質だが、その中に、また違う異常が存在していた。
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