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「……こいつは……」
「あン?何かあったか?」
あの鉄面皮な黒鉄が珍しく──本当に珍しく顔をしかめていた。
こんな顔をしたのは、数年前にモダン2を黒鉄とタイマンし、俺が隠れながら芋りまくって25連キルしたとき以来だな……
しばらくして、いつもの無表情に戻った黒鉄は重々しく口を開いた。
「この神力……蔵王のジジイだ」
「オイオイ、マジか」
「なんだ、ザッちゃんもいるんだ」
「そだよ。蔵王も引っ越し組だよ」
しかし、蔵王が果たして何らかの理由で俺に怨恨やら何かを持ち、殺そうと仮定して、こんなカス二匹使った回りくどいコトするか?
アイツならソッコーでタイマンを挑んでくるだろうし……
「いや待て……凄い神力反応がジジイの近くにもう一つ……ヤバイな、こいつはジジイ以上の神力だぞ。少なくとも、色は銀以上だろうな」
「お、てことはそいつがカス共の親玉じゃね?」
「……間違い無いな。そこの魔術師とほぼ同じ波長の神力だ」
──色は全く違うけど……と言って黒鉄は熱砂から手を離し静かに立ち上がる。
つまり、場所を完全に把握したということだな。
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