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アリス「本当に…それで良いのね?……後悔はしないわね?」
女王に城内へ誘導されながら中へ入っていく途中に、アリスはジャックにだけ聞こえるように言った
ジャッ「……?」
ジャックは意味が分からないと、アリスの方を振り向いた
アリス「ダイナの中にはジャックは含まれていないのね…。」
一度立ち止まり、女王に絡みつきながら先を歩くドルディーとドルダムを見ながら、アリスはそんな光景を指差した
アリス「ダイナにとって、このお城の人達はみんな所有物なのよ…トランプ兵もディーとダムも他の召使い達も白ウサギも。」
そしてジャックも…
ジャッ「……」
一瞬、ジャックの身に悪寒が走った
アリス「愛するが故に人を腐らせ、歪ませる…これこそ恋愛の原点よ。」
ジャッ「……一国の女王と騎士では釣り合わないと言いたいのか?」
負けじとジャックはアリスに冷たい言葉を投げかけた
アリス「歪みこそが美しく、また全てだと私は思っているの♪ジャックはまさにその歪みを纏っていてとても魅力的だわ。」
切り刻んでスープにして食べたいくらい…
ジャッ「!?」
アリスは今までにないくらい不気味なオーラーを放つと、ジャックに近づいていった
そして、口元をジャックの耳に近づけた時
ダイ「アリス、早くいらっしゃい。」
先を歩いていた女王が呼びかけてきた
アリス「あら、残念ね♪もっとジャックを苛めていたいのだけれど…」
ジャッ「……」
肩をすくめ、残念そうにするアリスを見て、ジャックは深いため息をついた
再び女王の元へと行くのに駆け出したアリスをよそに、ジャック自身も持ち場へと歩き出した
その後ろから
アリス「愛しているなら、もっともっと狂おしいほど愛しなさいな…♪そうしないと、ダイナは愛せないわよ?」
アリスの言葉が投げかけられ
ジャッ「!?」
また振り向いてみたが、今度はそこにアリスの姿はなかった
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