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勘弁してよね。と、大げさなジェスチャーをしてみせる。
もうバレバレだと思うけど、親父は昔からそれはもう札付きの悪だったらしい
両手じゃ数えきれないくらいの武勇伝を何度も聞かされてきた。もう嫌になるくらい
まあ、幼稚園児くらいの時は喜んで聞いてたけどさ…
「あはは!本当に勘弁してよね」
ここぞとばかりに、ひたすら挑発するアタシ!うん!ダサダサだ!
「そうじゃねえよ。俺のお袋、まあお前にとっての婆さんの話しだ」
「え…おばあちゃんの?」
意外すぎる展開に親父の話についつい合わせてしまう。
おばあちゃんはアタシが産まれる前に亡くなってる。だから知ってる事は本当に少ない。
その情報も母さんから少し聞いた程度、今まで親父の口から聞いたことなんて一度もなかった。
「そうだ。まあ変な茶々を入れず聞いとけ。事の発端はお前にとっての叔父さん。雄二さんからだったな。」
親父は一人っ子である。だからアタシの叔父さんは母方の家計にしかいない。
雄二さんとは母さんの兄に当たる人で、中学生の頃から親父の面倒をみてきたとのこと。悪い意味でだが…
だから、親父は今でも頭が上がらず必ずさんづけで呼んでいる
親父からみると怖いが頼りになる先輩といったところだろうが、アタシのからしてみればかなり可愛がってくれる優しい親戚の叔父さんだ。
後、対親父最終兵器でもある。
「知ってると思うがあの人も中坊のころから凄い人でな」
ヤンキーをビビらせてた親父をビビらせてた叔父さん。なんでも死神って呼ばれてたらしい。
「俺と共通する部分がかなり多くてな。その内の1つが親嫌いだったな」
親父が真剣な目で語っている。ここからはアタシも真剣に聞こう
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